
【アルバムA.H.O.感想|前編】11歳のWESTꓸに魅せられて【#オメデトWESTꓸ 】
- uinrenyke
- 5月18日
- 読了時間: 26分
更新日:5月18日
普段滅多に動かさない当ブログですが、11周年を迎え更に更に進化していくWESTꓸさんにまた魅せられてしまいました。ので、収録されている楽曲についての聴いた感想などをつらつらと書きおいていくことにしました。
5月末にライブに参加しますので、その為の楽曲の解像度を上げる作業でもあります。
※私は決して音楽や声楽の専門家でもなければ知識を習ったわけでもないただの素人アイドルオタクであるため、用語などに関しても自信がありません。間違っていたら申し訳ないです。ご留意ください。よかったら教えていただけると助かります。
全てにおいて上から目線にとられるかもしれませんが、ご容赦くださいませ。。
A.H.O.
アルバム『A.H.O. -Audio Hang Out-』のリード曲でもある当曲。初めて聴いたのはYouTubeにて公開されたミュージックビデオでした。
楽曲のみに関しては「まーーたむつかしい曲を…」が第一印象。2022年リリースの『Mixed Juice』でも感じた、スキルがあがったからこそファンクやラテンやHIPHOPなど、J-POPでありながらワールドミュージックの雰囲気もふんだんに盛り込まれた遊び心溢れるパーティーチューン、といったところに更に歌い手の技術の向上が上乗せされてもう無敵状態。どっちも譜割りとニュアンスが難しいんですよ。
構成も無茶苦茶(めちゃめちゃ褒めてます)で、2コーラス目なんてAメロがAメロじゃないんですよね、CとDなんよ。私の認識ですと
【A-A'-B-サビ-C-C'-D-サビ-E-C-C'-落ちサビ-大サビ】
とこうなります。なんやこれ。でもまだサビがサビっぽいサビだから助かる。
今作はMUTEKI DEAD SNAKEさんが凡そ作られたそうで、MUTEKI DEAD SNAKEさんといえばギター!ギターがこれでもかと目立ってきます。これがまたいたく気持ちいいんですよね。
Aメロの後ろでずーーーっとなってるのもエレキギターですよね、「Oh, No!」〜「翌日」の箇所だけキーが上がるのもスパイス。そういうコードなんでしょうか、これがクリシェというやつ…?
ギターでいうならDメロもえげつないです。濵田さんのラップの後ろでキュロロロロロキュロロロロロという音がずっと鳴ってます。カットギターですかね?かっこいい…。ずっとスパイスを投げつけられている。2サビが終わってEメロに入るときのだとわかりやすくかっこいいエレキが入ってきた、となるかと思います。なんだかんだいずれかのギターはずっと稼働されているような気がしています。
最後、アウトロの小瀧さんの「Audio Hang Out」で曲を締めるわけですが、最後の最後まで本当に気が抜けません。なんでかトッカータとフーガニ短調風味。本当に遊びすぎ。
末尾の処理はギターの箱の音が聞こえるようである意味丁寧だなと。
コーラスもこの方だそうです。Bメロの「アクセルベタ踏みで空も飛びたい」の後ろもいいですよね。急に歌謡曲っぽいメロになるのが緩急があって、そもそもこの部分がすごく好きです。
Cメロの「やねぇ〜〜ん…」「やんけぇ〜〜……」、まさかの普通の中間さんの歌割りでした。藤井さんのがなりの効いた「やねん」が心地よくて好きだな〜と浸っていてなんか吐息多めのコーラス聞こえるなーーと思ったら。
2サビの神山さんの「胸張って生きたいじゃん」に😏の表情が見えるのが凄い。歌から表情が聞こえるのってこれまでの培ったものが見えてくるような気がしてしみじみしてしまうんですよね。
「最高以上行こう」が「うぃじょう うぃこう」に聞こえるのがとっても好き。
あと本当に、一度気になったらずっと気になってしまう事になるのかもしれないんですが、落ちサビ前のC'、中間さんの「アホがアホにアホって 言うのが一番アホやん」の後ろのコーラス。コーラスというかなんというか。「言うのが」のところから\\イーーーヤーーーホーーー⤴⤴⤴⤴⤴⤴//っていうのが聞こえてきてしまってから、意識がそっちに持っていかれてしまって、終わりました。
大サビのフェイクの中間さんほんとによく声が通っててすげえ!とか、「AHOに生きようぜ」の重岡さんのがなりと伸ばしとちょっとしゃくりの入った語尾の処理とが大好きでイイなあというのもあったのですが、もう意識がイヤホに支配されてしまっています。
言及するタイミングを見失っていたのでここで触れますが、曲頭の「Audio Hang Out」、ゆっくりさん稼動してますよね?
アップルパイ
中間淳太さんプロデュース。リリース前に公開されたライナーノーツではこんな事が記されています。
【純粋な少女から、あざとワルい大人の女性へと成長した白雪姫】
私そもそも白雪姫のお話を読んだことがなくこれを書くにあたって初めて触れた(とりあえずWikipediaを拝読)のですが、「鏡よ鏡」や「七人の小人」などはここに出てくるエレメンツだったのかと新発見をしました。当曲の根幹とも言えるグーズベリーパイは一体どういう状況から登場するかを探していたのですが一向に出てこなく、どうやら1937年公開のディスニーアニメ映画版の『白雪姫』オリジナルのシーンらしく、本屋かどこかでDVDを探さないといけないな、というところが現地点です。故に歌詞に関しましては深く掘り下げられません悔しい。
なので知らないわりにではありますが、今回は聞こえてくる音などに振り切って述べていきます。
(2021年リリースの『"Pinocchio"』も原作は存じ上げなかったのですが、歌詞の内容も原作を知っていないとわからないよというものではなかったと思いますので、この際いいか、と割り切っています。鼻が伸びる理由などはリリースの時期に情報として仕入れました。)
テナー気味のピアノと中間さんのウィスパーボイスから始まる、まあなんともおしゃれで毒々しい物語。濵田さんのにごらせた音のフェイクも、妖艶さが見え隠れしてきます。
こちら、和訳すると「(んー、いいわね)嗚呼ベイビー。目を開けて、私の愛しい人」といったところでしょうか。こーわ。
重岡さんの、敬語や古風な言い回しの詞の音のつむぎ出し方が結構好きなんですよね。囁くように話すように歌われる。上から目線に聞こえるとは思いますが、こういうところがいつの間にか上手になられていて、毎度新鮮にびっくりします。(憶測するに、雪蟹以降)
小瀧さんと桐山さんのBメロはステージが思い浮かべられるような表情と余韻を感じられます。歌い方に空間の広さを覚えます。
Cメロの藤井さんとんでもねえですね。「染まる前の〜」は呟くように吐息多めにさらさらほろろっと発声されていますが、「触れば仰天」で一段、「齧れば昇天」でもう一段、落ちていくように、濁らせる文字を増やしていき、起承転結の転の、どんどんストーリーが転がって事が進んでいく様子を現しているようにとれます。
白雪姫があれよあれよと小悪魔になっていくのがここでわかる、という感覚です。愛しの王子様がアップルパイを口にする瞬間を思い浮かべたのでしょうか。
リリックビデオが公開された際にもXで触れたのですが、サビの「いずれは醒める夢と 分かってるつもりよ」の桐山さんがえげつない、とにかく。ファルセットと地声がシームレスで続いていて本当に感嘆の声しか出ません。語尾の上げ方もすごい。「つもりよ」も女王感と覇王感で震え上がりました。
このサビ間、右の奥の方でコツコツ聞こえますね。アップルパイを拵えているんでしょうか。
サビ終わり「アップルパイ」で落とすことによって一気に作品の奥行きが広がります。その地続きで2コーラス目へ。
「いつかは素敵な王子様と……」
この小瀧さんも本当に凄いです。「いつかは」〜「おう」迄はピュアに望みを祈っていて、「じ」で雲行きが怪しくなりますね。響き方が梅芸で聴いたようなテナーバリトンで世界観がまたぐっと入ってきます。そのあと「ま」で甘くひねって、「と……」で物憂げさと余韻を残す。高度すぎる。しっかり「……」が有るんですよ。しかもちょっと鼻で笑ったような。高度すぎ。
2023年リリースの『エゴと一途』でも思ったのですが、こういったダークファンタジーを表現する際に小瀧さんは幼さを垣間見せさせるのが痺れるほど上手い。中間さんや濵田さんは脱力した大人の色気でぶん殴ってくる印象があるのですが、その対比もあって、グループアーティストの強みを感じます。
個人的には「いつかは」の「は」の発音が大好きなんですが、口腔のどこをどうやった発声なのがか気になって仕方がありません。
「信じてるなんてお子様ね、ホント」は、Aメロでも言えますがこの曲の神山さんは発音に英語的な舌の使い方をされてますね。「お子様」の「さ」が《sæ》に聞こえます。故に、スタイリッシュに洒落て届いてきます。
2コーラス目は全体的に何故こういうことに至ったかの思考を辿っているようですね。
── 貴方が求めれば私はそばにいるのに、どこにいるの。ただただ足掻いたって仕方がない。思っていたより手強い、なら、貴方を彷徨わせて、私の元へ引き寄せる。
作戦なんでしょうね。沸々と気持ちを焚き付けていく様子を、徐々にテンションをあげて表されています。
神山さんの「迷路」「翻弄」の《lə》も、転がしていってるな〜と頷いてしまいます。
重岡さんの音量抑えぎみに、息多めに、ハスキーに息溜めていく歌い方はどことない渋さとエロさと悪さが混在していて、声質と年齢と経験値とが良い方に作用しすぎています。
「私の方へ」にはスピーカーから通されたようなモノラルのような加工と、悪魔の声のような低音加工音が重ねられていています。これは迷路の終点付近で"貴方"を呼び寄せる"私"の声ですよね。この部分をボーカルキャンセルで初めて聴いたときにゾクッとしました。
2サビ、初視聴のときに歌詞カードを追って聴いていたのでこの「いずれは〜」は誰になるんだ、とどきどきわくわくしていたらまさかの藤井さん!一行目は綺麗なファルセットで、二行目ではぱきっと地声を鳴らす歌い方をされていて、一度で二度美味しい藤井流星、が堪能できます。WESTꓸでは圧倒的な低音ボイスで楽曲の音幅を広げられている事でお馴染みの藤井さんの、透き通るような高音。非常にレア感もあって有難い。「ずれは」「醒める」「夢と」の高速回転が、1サビの、余裕を持って一歩一歩踏んだ桐山さんとの違いが出ていて面白いです。
Dメロ、特性フル発揮といった充てがわれ方でめちゃくちゃ面白いです。
「誘われて」を綿菓子がふわっと溶けはじめるように、「身を投げて」を溶けたキャラメルを伸ばすように。「Oh boy」の細かいビブラートで「あーあ」と彼を嘆き、あどけなさを演じる「軽くお芝居」、「全て思い通り」で浅く微笑み、「You say yes ~」は「ほら言っちゃった、求めちゃった」ともう実況ですよね。極めつけに達成の、恍惚に「ちょろいもんね」。こういう恍惚は中間さんが大得意すぎる。こちらはいつもぶっ飛んでいます。
といった事があり、イントロにもあったフェイクが戻ってきます。神山さんのロングフェイクが大サビへの盛り上げをひと押し。
藤井さんの「まだまだ満たされない」の「されない」の感情と音量の下げ方。届いていない感じ、満たされてない感じを表していていじらしい。
逆にこちらが溺れていっている、といった苦しさと嬉しさが表れた重岡さんの「飲み込まれてしまいそう」は、「そう」に少し入ったこぶしがめちゃめちゃ狡い。ここに嬉しさを滲ませているような気がします。
「派手に振り回されても」の飄々とした軽やかな余裕感と「たまにはいいでしょ?」の語尾の圧には大物感すら感じます。強者。
さ、そんなことより。とでも言うように最後の仕上げに入ろうとする「さあ、おはようのキスを」の明るさといったら。「を」の粘っこいしゃくり上げが洋楽感と少しばかりの闇感を押し上げていてテクニカル。
余韻の「抜け出せないわ」B.A.D.二連。
この抜け出せないわは、彼のことなのか自身のことなのか……はたまた両方なのか……。
お二人の「わ」のニュアンスと処理の仕方の違いがとてもいいし、声に表情を乗せるのがとんでもなく上手い。最後の「わ」には中間さんの上がる口角と八重歯まで見えてくるようです。
まぁいっか!
抜け出せないわぁ…………ワン!ツー!まぁいっか!!
お次は、トラック順によりトンデモ繋ぎがお送りされてしまっていることで少し話題になったこちら。
2024年9月リリースのシングルであり、既存曲のためさらっと触れていきます。
「ワンツー…」から声の七重奏が楽しい。
Aメロは今までの曲に比べると若干レンジが低めで、男性シンガーソングライターさんっぽいキーで作られている印象です。
「この物語の主人公は僕です」、「僕ですっ」ってちゃんと言い切ってるし、自分に言い聞かせてるようにも感じられます。
比較的BPMが遅めで作られている印象ですが、それ故なのか16ビートを刻んでいる箇所が多く、Bメロなんて譜割りがカタカタしていて楽しいですよね。歌って踊ってってやるとかなり忙しなくも感じられますが。「昨日よりも」が転がるように過ぎていってびっくりしました。それを技術で乗りこなす桐山照史・大先生。
「ちょっとの事など気にしないぜ」の「ぜ」の可愛さがすごい。藤井さんの歌唱パートでこういった風になるの珍しいなと思いました。あとこのBメロは後ろのギターもすごい。アコギ気持ちい〜
重岡さんの「僕が僕を愛してあげないとさ」もテクニックとパッションで溢れています。1音だけファルセットに上げて、語尾の「さ」は重岡さんらしい大きい口を口角もあげて開けたしっかりした発声で、説得力がぐんと増します。
2A「なれば」〜「ヒーローです」の間のおとなしめのサウンドがめちゃくちゃ良い。フルートだと思うのですが印象的ですよね。『おもちゃの兵隊の行進』やディズニー作品のようなほんわかしたパステルポップな世界観が見えてきます。その後もグロッケンやストリングスや金管などクラシックな楽器を使用されていて、どことない幼さを表現しているように思います。
詞も「無敵のヒーローです」「歌って踊ってやる!」と無邪気ですし、担当されているのも年下の4名ですし、よくできてるなと感心してしまいました。
2Bは1コーラス目よりもわたわたしてますね。ここは振り付けもわたわたしてて忙しさに拍車をかけています。
「とりあえずぅ」「それとなくぅ」と語尾も可愛いです。meiyoさんご本人が仮歌を歌われていたんでしょうか、meiyoさん節が感じられます。
落ちサビ「ちょっと煌めくぜ!」の「ぜ〜ぇい!」もイイ。やっぱり1曲通して語尾が可愛いですね。
大サビは、1サビ2サビと同様の箇所と異なり、ファルセットを使わず地声で、最後のユニゾン「大好きな君のために」の「の」のみファルセットを使われています。
意図されているのかどうなのか…。
近年のmeiyoさんらしい晴れやかで可愛らしい楽曲になっていて、包み込まれるような歌声も相まって、穏やかでハッピーになれました。
shhhhhhh!!
イントロなしのブレス▶︎「わ」で始まる共通点があるこちら。
無音からしゅっとしたブレスが入り(0秒地点からカウントして2.5拍空いて)すぐユニゾン大音量の「わかってるくせに…」が始まります。サビ始まりです。「shhhhhhh!!」の藤井さん、この部分はライブ会場での様子が気になりすぎますね。
6拍空いてピアノ、そこから3.5拍目で「大胆なセリフ ねぇ」と入ってきます。「言いたい 言えない 言わない 絶対?」で綺麗に四拍子が揃い、「顔を見せて」で3連符・3連符?となり、フェードアウト。リズム隊なしでそのままAメロに繋がります。最初リズムを掴むのが大変でした。ウラすぎる。
その無音状態から入る「無理 無理」は、ライブ等の際にはイヤモニにカウントが入ったりするんでしょうか。我々は知る由もないので実際に観てウォォ!と沸くことしかできませんが。カウント無しでやってたら本当にえげつないと思います。
「思い出すたびに」の入り方がまた良いですねぇ…。重岡さんがバラードで繰り出すエッジボイスのセクシーさ…。続くように桐山さんの「甘すぎて」ももうすごい、更に超えてくる。なんかこうぎゅっとなって眉間がクッとなっちゃいますね。後ろで神山さんがずっとハモってます。
Bメロは英語詞の割合が多くなり神山さんが爽やかに転がし回されておりますが、「あなたが望むならこの一線を…」とかちょっと刺激的です。「なんてね」って。いたずらですねえ…。
この部分の濵田さん?の下ハモも良きです。
Cメロまで大忙し濵田さん、吸い込む息さえも色気が凄いです。「Sweet Box」とは…。スウィートボックスという音数多めな単語をさらさらっと滞りなく歌われてて流石です。
私は「誰かに言いたくて」が本当に大好きです。PVが公開された際もここばっかりリピートしていました。「ンだれかにぃ、いーい↑たークて、」といった感じです。詞が裏拍で始まるために表拍にンをいれているものと思われます。そのあとは舌も稼動数は多めに最低限の可動域でされていそうな甘めの発音で、こちらがとろけそうです。
1サビが頭サビと違うのはビートが刻まれ続けていることだと思います。「絶対?」のあとに「I know you know」とコーラスが追加されていますが、ここも大好き。難解な譜割りの中で調子を揃えるかのように四拍子で整えられると気持ちがいいです。そもそも自分がこういう音階の四拍子コーラスが好きというのもある。
意味としては「あなたがわかっていることは、俺もわかってるよ」なのか「あなたもわかってくれてると思うけど、俺も知ってるよ」なのかはわかりませんが、そんなところかと思っています。
2A重岡さん「シャツの」の「の」が「ヌォ」とぬっぺりしていて好きです。「塞いでも」辺りだと顕著に感じる、全体的に舌が大きいのかなと感じる呂律で、こういうのも重岡さんの歌い方の特徴のひとつだよなと改めて感じました。この部分はボーカルキャンセルすると、コーラスパートは左右それぞれ固有チャンネルだったのかメインボーカルだけを落とすことができました。その結果桐山さんのハモがめちゃめちゃしっかり聴くことができまして、二人の舌が同じ位置にあるような(「塞いでも」は特に)、この口腔が横に拡がったような発音は桐山さん譲りかも、先に桐山さんが収録されてそれを聞いてから重岡さんはレコーディングされたのかな、とまで思い至りました(あくまで想像です)。
語尾も「鼓動〜ぅ」と「程〜ぅ」は珍しくしゃくりぎみの喉の使い方をされているなと思っていたら、ハモりの桐山さんでした。
同じく2A「いつから」〜の中間さん、コーラス小瀧さんパートは、声の相性がいいのか声質が似ているのか、綺麗に溶け混ざりあっているように聴こえました。「確信犯」のシンクロ率がすごい。重岡さんとコーラス桐山さんをフルーツタルトと例えるとすると、中間さんコーラス小瀧さんはアップルパイかもしれないです。それこそ。
小瀧さんのコーラスもいいですね、滑舌も気持ちいいし、マイク近めで囁いているようです。
2B、チーム寒色のボーカルもすごいですが、後ろのストリングスがどえらい事になってますね、なんじゃこりゃ!
2Cもまた変えてきましたね、「静かな」「Uh-uh」「部屋は」「O-oh」、かなり好きです。「愛しくなるよ」の「る」のrの発音が甘くてここも良い。とろけますね。
神山さんの「らしくない」が「なぁい」になっていて、意図されているのかわかりませんが可愛いですよねここ。このパートはすべてひらがなですが、一文字一文字がハキハキされていてすっと耳に入ってきます。が。らしくないこと、とは、一体なんなのでしょうか。🙈
2サビの「shhhhhhh!!」はまさかの小瀧さん!2023年リリースの『Beautiful』と同じように殆どを藤井さんがされるものと思っていましたが、フルコーラスが初めて公開されたCDTV感謝祭で度肝を抜かれました。藤井さんのと比べると音圧と風力が強めに聞こえますね。歯をしっかり閉じているような。
サビ終わりも小瀧さんでした。先行公開されたYoutube verのミュージックビデオでは2コーラス目がまるっとカットされていたのですが、「見たくて…」の余韻がそのまま残されていてその全貌が見えました。まさか小瀧さんの声だったとは。
スーパー神山タイムとかハイパートモヒロラップとか、SNSなどでいろんな言われ方をされている神山さん独擅場のラップパート。ここまで1人で背負っているのも久しぶりですよね。
「さみしい さみしい さみしい」「おちる おちる おちる」ぐるぐるぐるぐるしてます。交互する「Bitter」と「Sweet」、ひとりの心情の浮き沈みか、もしくはふたりの心情が交錯しているのか。「同じ?」は、ふっと安心したような表情が届いて来ます。
「今以上が欲しいから」で再び小瀧さんへ。少しハスキーな発声になっていてこれもとても好きです。
Dメロのソロリレーも個性豊かです。重岡さんの気だるげな「わかってるくせに」で文字にも表せないような珍妙な感嘆をあげました。
その後の「shhhhhhh!!」は中間さん!ソロのこの部分は、2018年リリース『Into Your Eyes』を歌ったトリオが選抜されることとなりました。とても納得。
「時が止まったのは」以降の呟くような歌い方と、リバーブ効果で、藤井さんとだけの世界にふっと引き込まれるような感覚に。
そのまま腕を引かれて大きな観音扉をぐっと開けると眩しい光に包まれる、ような大サビに突入します。
最後の「shhhhhhh!!」はまさかまさかの全員!どこまでも置いていかなくて流石です。
「焦れったいほどにSweet」の後ろ、ピアノが大暴れしてます。さすが大サビ、大盛り上がりです。
「唇に確かめたんだ」が「たぅだ」に近い発音になっていてまた甘くて好きです。当楽曲は中間さん小瀧さんのユニゾンが多いですね。
「Kiss you」余韻の息を切る音まで個性が出ていて面白いです。
タイアップとなった藤井さん主演ドラマ【キスでふさいで、バレないで。】を見終わった後に聞くとまた解釈が広がりそうで、また楽しみが増えそうです。
TICKTOK
藤井流星さんプロデュース。
歌い出しから唖然としていました。重…岡…大…毅…さん……??理解が追いつきません。
「胸の奥でずっと Ringing」と「逃げられなくて」の隙間、「I'm asking」、「Wanna go or stay?」、「Aye」の隙間と語尾、けだるげエッジボイズの宝石箱です。痺れました。
次の神山さんはうってかわってやんちゃですね〜〜〜!明度の変わり方がEDMっぽさを強くしているような気がします。終わり際の低いシンセ大好きです。
Cメロ桐山さんの「On & on & on & on」とフェイク部分もまた聞いた事ない声出てきた!と驚いていました。
この後の濵田さんですよ。しっとり入ってきたかと思え徐々に欲が溢れ出るように圧が加わっていき、しまいめには乾いた笑い。恐……………濵田さんですよね?
この曲はなんといってもサビの低音ですが、奥から聞こえるしゃがれた地声を響かせる藤井さん、視鬼神真玄(※実写映画版賭ケグルイ2の登場キャラクター)が脳を過ぎるような雰囲気を持っていて、少々懐かしくなりました。
それに対して、中間さんのパートには高音の加工音が重ねられていて、サビ間だけでも音の高低差がかなりあります。「Rhythm」のエッジがかった発音がいいですね。。同様の小瀧さんのパート「手」「Moment」には、なぜだか何処となく重岡さんな雰囲気を感じました。
「秒針を狂わせて」の発音がめちゃめちゃ藤井さんって感じですよね、下顎を使ってるような発声です。
間を開けず2コーラスに入りますが、ここもまた藤井流星さんが、すごいです。メインはウィスパーですが、後ろから藤井さんのデスボイスまで聞こえます。真玄くんここでも登場。ワルですねえ〜〜
続く神山さんは1Bと同じ雰囲気ではありますが、オク下コーラスも相まって狂気さが少し加わったように感じます。
2Bの重岡さんめちゃめちゃスタイリッシュですね!?さらさらっとしててこれもまた珍しい…。「吐息だけが」にだけ人間味というか、感情がじわっと滲み出ていて緩急が素晴らしいです、大好きここ。
小瀧さんの「迫り来る音」辺りから入る低いシンセの落ちていくようなサウンドがクセになります。
濵田さんの「かせて」「らせて」のなんとも言えない空気の抜け方はなんなんでしょうね、いつも大優勝です。
中間さんの「消えていく」の囁くようなファルセットがめちゃめちゃ綺麗だし、「Heart」のハイトーンも声質がピッタリでキレイに伸びていてビビっています。
で、「One more time」の低音。豹変。おそろしい。
2サビの低音パートは桐山さんだと事前に伺っていたのですが、聞くともう紛うことなき桐山さんでしたね。しっかり桐山さんのデスボイスまで聞こえますし、「狂わせて」の語尾の抜け方もめちゃめちゃ桐山さんで気持ちよかったです。
今度は小瀧さんが前半の掛け合いに異動されてます。「Rhythm」の発音がリッドゥとネイティブっぽいです。「言葉じゃなく距離で確かめる Feelin'」のパツパツした歌唱法、16ビートにぴったり合わせて来ていて気持ちがいいです。「確かめる」の「める」の発声が大変メルティーです。
後半は重岡さんなのですが、上記にあるとおりで重岡さんに合いそうだなと思っていたのでまさかで驚いています。こたしげコンビはこういうところも親和性が高いのでしょうか。重岡さんの上擦った「Moment」から色香すら感じるのが凄い。
Eメロの湿度は一体なんなんだ。ブレスも多めに、息が漏れるような歌い方の中間さんと、かすれウィスパーぎみの濵田さん。歌い出しのエッジもアクセントで狡い…。
…ここの掠れた笑い声は誰だ……?重岡さんか?
直後の\ヒェエエーー⤴⤴⤴⤵︎⤵︎/のようなコーラスもめっちゃ気になります。
ラスサビの低音は小瀧さんと聞いてはいたのですが、回数を重ねても、言われてみれば確かに舌の動き方と口腔の空間の広さがそうかも…、くらいには誰かわからないです。あくまで主観ですが、前の2人に比べるとそういった意味での特徴を捉えづらいタイプの声なのかもしれません。
最後の掛け合いは上記の2人、藤井さんと桐山さんです。藤井さんの「Rhythm」はリードゥ-。三者三様で面白いですね。桐山さんの「二人の Moment」の泣きっぽいエッジボイズ、最後にまたひとひねり入れてきますねえ。
最後の笑いは藤井さんでしょうか…、こういうキャラクター的なデフォルメされた性格を出力させるとまあ似合う似合う。再三の登場ですが、視鬼神真玄がこういうものの最たる部分だと思っていて、それを今回ご自身でプロデュースしてやろうっていうもんなんだから、自己プロデュースまで凄いです。してやられています。
Sweety
こちらは小瀧望さんプロデュース。
いわゆるチル曲、小瀧さんの趣味全開でお送りされています。
"声を楽しむ"楽曲かもしれません。
頭の息を吸う音から好きです。この頭サビもファルセットで伸ばしまくっていて、一気に世界観が浮かび上がり、ふ…とリラックスできる体勢になります。
Aメロから既に、電子ピアノのようなコード音、「鼓動」をほのかに感じるスネア、サイドギターがしっかり捉えられるのに、ボーカルにまったく角がなくゆったり進んでいくので、全員の技量を感じます。
「待ち合わせていた 3pm」とあることからお出かけかと思われるのですが、A'の内容的におうちで珈琲や紅茶を飲みながらまったりしているような雰囲気があります。桐山さんの「Saturday」の力の弱さが天才的です。
Bメロの後ろで砂浜で波が揺れているような音が聞こえてきます。リラクゼーション音楽かもしれません。ピアノもぽよんぽよんしています。重岡さんの「言葉なんていらない」の優しいフラットさもめちゃめちゃ上手いです。音の強い子音が入っているのに、そう聞こえさせない。
甘味といえば神山さん、と言わんばかりにサビ1から神山さんの触り心地がよくて甘めのお声。さながらストレートのアッサムティーのようです。「甘い」と「想い」の間のブレスも余韻がありさらっとした甘さが続きます。「出す」のファルセットも綺麗…。
「So sweet tea」…!?甘めの紅茶の表現が間違ってなかったことに驚いています。Bメロの「Flavor」ってそういう事になるのか。
小瀧さんの「止まる」の発音も甘さを感じます。「ふたりだけ」〜「感じたい」の舌が奥の上顎に付いたような歌い方も、小瀧さんが鼻歌を口ずさんでいるときの歌い方に近しく、リラックスされていたのかなあと思いました。神山さんをストレートのアッサムティーだとすれば、小瀧さんはそこにシロップや蜂蜜を加えたような声質の粘土があるなと思います。
サビ2でようやくユニゾン。おそらく7人なのに力強い音圧を感じません。ファルセットだからというだけではないでしょう。そのまま重岡さんのソロまでちゃんと地続きで繋がるので、凄いです。「Alright」の「t」の音と間奏のスネアとのリンクを感じました。
そのまま重岡さんが2Aに。「成分」が次の行の「seven」と韻を踏んでいるからなのか、「成ven」のような発音になっていて丁寧だなと思いました。「You know?」 のknowも顎を大きく使わない歌い方で、まさしくチルだし甘くて大好きです。
2A'の「変わらずに」の語尾の小さいビブラートがすごくクセになります。芸が細かい…。
「Honeybee」…ミツバチですね!?ハニービーを自認している…。
2Bの「満ち足りない」は1Bとメロディが変わっています。
小瀧さんの「Just let me try」は洋っぽくて、1コーラス目サビ1の部分でも述べたような歌い方ですが、英詩になるとバッチリ世界観がハマっていて心地よいです。
「ときに苦い日もあるけど」
はちみつにかかってると思われます。同じ花、同じフレーバーでも環境や気候や個体差が出て苦みの強いものもできたり、といった比喩も含まれるのでしょうか。中間さんの「あるけど」がミックスボイスになってます…!?蜂蜜のとろみの中のざらっと感を感じました。
Cメロ、とんでもないです。
まず神山さんの高いのに音圧を感じるヘッドボイスと、オクターブ下の藤井さんのイケボ低音ハモ。そして追っかけに中間さんの甘いファルセット。この部分はコーラスが無く、メンバーのボーカルとピアノとサーといったシンセの音くらいしか有りません。故に、ボーカルが押し寄せるように耳に届いてきます。
続く小瀧さんのパートは一気にボルテージを上げるように、でも盛り上がりすぎないような優しさと柔らかい音圧。「ように」と「だって」と末尾を上げて上げて、そのまま「感じてるのさ」を優しいヘッドボイスでラスサビへ押し上げます。
昔の楽曲では若かった故なのか、Dパートなどで比較的高い部分を任されていたことが多いイメージのある小瀧さんですが、今まで小瀧さんからこんな綺麗なヘッドボイスを聞いた覚えがなく、びっくりして引き込まれました。
ラスサビ1には神山さんのコーラスもあってラスサビらしく少し派手になってきました。主旋は桐山さんですが、前半の英詩のファルセットと「そばにいるだけで」の地声へのスムーズさと、感情の含み方が秀逸。そして「溢れ出す」の掠れ方がエロすぎる。もしかしたら喉が本調子ではなく少々使いすぎた故なのかもしれませんが、聞く分には良い方向に作用してると感じました。
私の中で重岡さんにファルセットのイメージが湧かずに数年経ってしまっていて、2021年リリースの『Paradise』や2023年リリースの『アンノウン』でかなり驚いて以降も毎度新鮮にびっくりしているのですが、重岡さんのファルセットやヘッドボイスも肌へ浸透率が高いよなあと感じています。「ふたりだけの世界 永遠に感じたい」で地声に戻りますが、20代の頃のキャラメルボイスを思い出させるような、はちみつキャラメリゼのような甘い歌声がまたここで聞けるとは。
成長が著しい若年歌手ほど儚いものはないなと日々痛感しているのですが、大人になってもうこの頃の声は聞けなくなったと思っていたところにその頃の面影を感じる部分がふっと見えてくると、長く観続ける意味を感じます。
ラスサビ2、〆の濵田さんの語尾がスタイリッシュで大好きです。
発売前のライナーノーツには「ループして聞ける曲をイメージして」とありましたが、曲終わりと曲始まりのテンションがほぼ均一で、確かに1曲リピートでBGMとして流すのはとてもアリだなと感じました。
リリースしてすぐの頃に友人と淡路島をドライブしたのですが、夕方18時頃の日が海に落ちるところを見ながら、サンセットラインという西海岸沿いの道をSweetyを流しながら走りまして。本当にめちゃめちゃ良かったです。むしろ雰囲気にそぐわずに「合いすぎ〜!!!」と大盛り上がりするほどでした。ぜひ皆さまもやってみてください。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
前編はここまで。
『Rainy Rhapsody』に取り掛かりはじめたところでライブの日程になってしまったので、これ以降はライブ後の感覚も含めたものにしていこうかな。
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